News ニュース News ニュース

News ニュース

scroll
News一覧
制定日:2021年12月27日

Space BD
衛星開発プログラムCanSatワークショップを実施
「宇宙教育プロジェクト」の一環でクラーク国際生徒が宇宙開発を追体験

PDFはこちら

11月28日実施CanSatワークショップの様子

 

Space BD株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:永崎 将利、以下Space BD)は、クラーク記念国際高等学校(本校:北海道深川市、校長:三浦 雄一郎、以下クラーク国際) 開校30周年記念事業の一環である「宇宙教育プロジェクト」において、国立大学法人東京大学大学院工学系研究科(東京都文京区)と連携し、クラーク国際の生徒を対象に、衛星開発に関するワークショップを実施しました。
ワークショップは、11月28日(日)、12月4日(土)、12月5日(日)の3日間に分けて実施され、生徒は「CanSat」と呼ばれる模擬衛星の制作や、超小型人工衛星の開発のトレーニングキットである「HEPTA-Sat」の組み立てを体験しました。
これらのワークショップは、クラーク国際の生徒が衛星開発の追体験を行うプログラムとなっており、宇宙開発への興味関心と課題解決の達成に向けた生徒たちの主体性の育成及び、未来の社会で活躍する人材として不可欠なチームワークや課題設定などの非認知能力の醸成を狙いとしています。

 

■CanSatワークショップ

11月28日(日)には、会場の成女学園中学校・成女高校(東京都新宿区)にて、空き缶サイズの模擬人工衛星「CanSat」を打ち上げるワークショップが実施されました。生徒は6グループに分かれ、制限時間内にCanSatを作成し、高所まで持ち上げ、地上のターゲットに向けて落下させました。その中で、指定された落下時間との時間差の少なさや、缶を直立した状態で着陸させる技術などを競い合いました。
このワークショップでは、各グループで仮説を立て、実際に手を動かしながらCanSatを作成し、その結果と原因について考えるというプロセスを通じて、グループ間での協議、アイデア出しと意思決定能力を育成することを狙いとしています。
また当日、ワークショップと並行して、国際広報チームの主導によって記者説明会も実施されました。
ワークショップ講師役として、東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授および同学科の研究室職員も参加し、各生徒へのアドバイスや結果に対するフィードバックを行いました。ワークショップを終えた生徒たちは「これは、面白い部分でもあるけど、答えが与えられていないこと。教科書を開けば答えがあるわけじゃない。(事後アンケートより)」といった学びが多い機会になったことが窺える感想を口にしていました。

 

東京大学大学院工学系研究科 航空宇宙工学専攻 中須賀真一教授のコメント

「CanSatは宇宙開発の入口です。今打ちあがっている衛星に携わった衛星開発者の多くがCanSatから始めました。CanSatでは、小さな衛星を開発する、そしてチームで問題解決をしていくといった衛星開発の基礎を学ぶことが出来ます。衛星開発は、単なるものづくりというだけでなく、プロジェクトマネジメント、システムエンジニアリング、いろいろな国際交渉などが必要なことに加え、問題解決の連続です。CanSatワークショップでは学びの宝庫である衛星開発や宇宙開発の要素を凝縮して学んでもらうことを目的としています。」

 

CanSatを作成する様子

中須賀教授からアドバイスを受ける様子

 

■HEPTA-Sat」ワークショップ

HEPTA-Sat制作の様子

 

12月4日(土)、12月5日(日)には、会場のX-NIHONBASHI TOWER(東京都中央区)にて、「HEPTA-Sat」を組み立てるワークショップが実施されました。「HEPTA-Sat」は、日本大学の山崎政彦准教授によって開発された、小型人工衛星のトレーニングキットです。生徒は、「HEPTA-Sat」を一から組み立てた後、プログラミングおよび動作試験を実施するワークショップを通じて、人工衛星の各機能の役割を学びました。
このワークショップでは、衛星開発およびプログラミングに関する基礎知識の学習に加え、コミュニケーション力の醸成や、問題解決力の育成を狙いとしています。カメラを組み込んだ「HEPTA-Sat」から撮影した写真をPCで確認できた瞬間は思わず歓声が上がるなど、生徒たちは積極的にワークショップに取り組み、ある生徒からは「ひとつ思ったのは、このHEPTA-satの授業がいつもの授業の中であったら(化学の時間など)もっと私たち世代にとって宇宙が近くになるんじゃないかと思いました。(事後アンケートより)」という声もあがりました。

 

■「宇宙教育プロジェクト」:これまでと今後の取り組み

2021年7月に発足した「宇宙教育プロジェクト」は高校生を対象とした人工衛星開発・打上げの追体験および宇宙をテーマにした探究学習プログラムの開発により未来のリーダー人材育成を目指す、クラーク国際、東京大学大学院工学系研究科、Space BDによる共同プロジェクトです。現在は「宇宙探究部🄬」という部活動として活動しており、全国のクラーク記念国際高等学校に在籍する生徒より公募され、現在は総勢70名が所属しています。
本プロジェクトにではこれまで、宇宙開発の概論に関する生徒の理解促進を目的とした、中須賀真一教授による宇宙開発講義や、今後実際に打ち上げる予定の衛星に課すミッションに関する検討会・決定会などが実施されました。
今後は、衛星環境試験、管制局の組み立て作業への一部参加、また無線局落成検査や安全審査会の立ち合いなどを経て、衛星打上げを目指します。衛星開発関連以外では、衛星打上げおよび衛星放出の際の取材やホームページの制作についても生徒の活動対象となります。

 

Space BD事業開発本部 エンジニアリング事業部 物部 貴之のコメント

CanSatワークショップならびにHEPTA-Satワークショップでは、生徒の皆様が熱中し、いかに課題を解決していくかチームで取り組み変容していく姿を拝見でき光栄でした。衛星開発の追体験プログラムの1つであるCanSatワークショップでは、試行を重ねて目標を達成する能力、仲間と議論し意思決定をする能力など様々な非認知能力を学ぶことができます。これらは衛星開発に限らず社会人としても求められる能力です。今回の経験が生徒の皆様にとって学び多いものとなれば幸甚です。

 

■Space BD株式会社について

Space BDは、日本の宇宙ビジネスを、世界を代表する産業に発展させることを目指す「宇宙商社®」です。2017年の創業以来、宇宙への豊富な輸送手段の提供とともに国際宇宙ステーション(ISS)を初めとする宇宙空間の利活用において、ビジネスプランの検討からエンジニアリング部門による技術的な運用支援までをワンストップで提供してまいりました。これまで衛星取扱い約50件を含め100件以上の実績を重ね、宇宙商社として幅広く展開しています。

 

■クラーク記念国際高等学校について

「Boys,Be Ambitious!」で知られるクラーク博士の精神を教育理念に受け継ぐ唯一の教育機関として1992年に開校。北海道深川に本校を設置し、全国50を超える拠点で1万人以上が学ぶ。通信制でありながら全日制と同様に毎日制服を着て通学して学ぶ「全日型教育」という新たな学びのスタイルを開発・導入。カリキュラムの柔軟性を生かし、生徒のニーズに合わせた様々な特徴ある授業を展開。毎年、海外大学や国公立、有名私立大学などへの進学者を輩出している。

 

■東京大学中須賀・船瀬研究室について

2003年に世界初の1㎏衛星(CubeSatと呼ぶ)の衛星の開発と打ち上げに成功して以来、13機の超小型衛星(100㎏以下の衛星の総称)を打ち上げ、この分野で世界をリードする活動をしている。これまでの中大型衛星に比べ圧倒的な低コストと短期開発が可能な超小型衛星は、大学・ベンチャー・地方自治体・新興国など新しいプレーヤーの宇宙活動への参入と、それによる新しいタイプの宇宙利用を生み出し、世界は超小型衛星の時代に入りつつある。東京大学でも、研究開発だけでなく立ち上げたベンチャー会社が様々なビジネスを展開し、宇宙の産業化に貢献している。また、学生に主体的に開発させることで、ジュース缶サイズの模擬衛星CanSatや超小型衛星を工学教育にも利用しており、卒業生がJAXAをはじめ多くの分野で活躍している。

 

■本件に関するお問い合せ

 

  • Space BD株式会社
  • 広報担当 原・山田
  • Mail: pr@space-bd.com
  • TEL: 03-6264-7177

 

News一覧