News ニュース News ニュース

News ニュース

scroll
News一覧
制定日:2020年10月02日

「膜展開式軌道離脱装置 DOM® (De-Orbit Mechanism)」に関する総代理店契約締結のお知らせ

PDFはこちら

 

「運用終了後の人工衛星を宇宙ゴミにしない」ことを目的として、国立大学法人東北大学と「膜展開式軌道離脱装置 DOM® (De-Orbit Mechanism)」の開発を行ってきた株式会社中島田鉄工所(福岡県八女郡広川町)は、この度「宇宙商社®」であるSpace BD株式会社(東京都中央区日本橋室町)とDOM®の販売に関して全世界を対象とする総代理店契約を令和2年10月1日付で締結いたしました。

 

DOM®とは、軌道上で薄膜を展開することによって宇宙空間にわずかに存在する大気抵抗を利用し、衛星の速度を減速して軌道の高度を下げ、地球周回軌道から離脱させる装置です。軌道離脱によって人工衛星は大気圏に再突入し、完全に焼失します。DOM®の実験機である「FREEDOM」は、『平成28年度上期打上げ機会「きぼう」放出超小型衛星』に選定され、実証実験に成功しました。平成30年に『第3回宇宙開発利用大賞「宇宙航空研究開発機構理事長賞」』を受賞した後も、現在に至るまで様々な改良や技術応用を続けてきました。

 

冷間圧造機の製造・販売を本業とする中島田鉄工所が宇宙産業に参入することになったきっかけは、現在は東北大学で教鞭を執られている桒原聡文准教授との出会いでした。当時まだ学生でいらっしゃった桒原先生の<宇宙ゴミ問題を解決したい>という思いに共感したことからすべてが始まりました。人工衛星の装置を作るという中島田鉄工所にとって全く新しい試みは、まるで楽しい課外活動のようでした。何か新規事業を立ち上げるために悲壮な決意で作り上げたものではなく、15年に渡る桒原先生との信頼関係の中で自然発生的に生まれたもの、それがDOM®です。

 

Space BDは「宇宙における総合商社」として宇宙の産業化とその発展に貢献することをミッションに掲げ、2017年9月の設立以来、衛星打上げサービス、国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」を活用した宇宙空間での実験サービス、宇宙関連機器輸出入、プロジェクト型事業開発サービス、宇宙飛行士訓練方法を活用した教育事業等、幅広い事業を国内外で展開しています。中でも超小型衛星打上げサービスに関しては、JAXAより事業者として選定されている「きぼう」からの衛星放出等の提供により、50機に及ぶ超小型衛星打上げサービスを受注し取り扱っている我が国のリーディングカンパニーです。

 

右:株式会社中島田鉄工所 代表取締役社長 中島田正宏
左:Space BD株式会社 代表取締役社長 永崎将利

 

宇宙へのアクセスのハードルを下げ、宇宙産業の裾野を広げる一方、調和と持続性ある発展には宇宙ゴミ問題への取り組みは欠かせません。中島田鉄工所がデファクトスタンダードの確立を目的にDOM®の一般販売を本格的に検討し始めた頃、その桒原先生を通じて中島田鉄工所とSpace BDに縁ができ、「信用を軸としたビジネス」をモットーとする両社の社長が意気投合したことで、今回の総代理店契約の運びとなりました。

なお、今回の契約締結にあたり、東北大学大学院工学研究科の桒原准教授より以下のメッセージを頂いております。

 

東北大学大学院工学研究科 桒原聡文准教授

『これまで株式会社中島田鉄工所様と共に長年にわたり取り組んでまいりました宇宙ゴミ対策のための共同研究開発が実を結び、この度Space BD株式会社様の強力なお力添えにより、社会実装への大きな一歩を踏み出せますことを大変嬉しく思っております。

宇宙ゴミが現実の問題となった今、持続可能な宇宙開発利用の礎を築き、安全且つ平和な宇宙資源を将来の人類に約束することが、我々の使命だと考えております。本国発の「膜展開式軌道離脱装置 DOM® (De-Orbit Mechanism)」が宇宙開発利用の舞台で大いにその役目を全うし、国際貢献していくことを期待して止みません。

「膜展開式軌道離脱装置 DOM® (De-Orbit Mechanism)」はPost-Mission Disposalと呼ばれる、運用終了後の人工衛星を確実に軌道離脱させるために打上げ時点から衛星に搭載しておく装置であり、今後打ち上げられる人工衛星に標準で搭載されるべきものです。我々は引き続き、更なる装置の高性能化と宇宙ゴミ問題への関心喚起に努め、先陣を切って世界にリーダーシップを示していきたいと考えております。』

 

中島田鉄工所、Space BDとも、結果には徹底的に拘りながらも、「宇宙産業の持続可能な発展への貢献」という大義を決して忘れず、両社の強みと持ち味を存分に発揮しながら努力研鑽し、優れた製品づくりとサービス提供に邁進する所存です。

 

本件に関するお問い合わせ

  • Space BD株式会社
  • コーポレート本部(原)
  • Mail: info@space-bd.com
  • TEL: 03-6264-7177
News一覧