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Space BD、スペインSATLANTIS社製地球観測カメラ「iSIM」案件において全ての工程を完了し、プロジェクトを完遂
宇宙産業における総合的なサービスを展開するSpace BD株式会社は、スペインSATLANTIS MICROSAT S.L社が開発する超小型衛星搭載用地球観測カメラ(iSIM)案件の全工程が完了したことをお知らせいたします。<
2019年2月から、Space BDはSATLANTISへ国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」中型曝露実験アダプタ(i-SEEP)を活用したサービスを提供してきました。Space BDにとって初のi-SEEP利活用サービスとなった本案件は、スペインにとっても初の全て自国生産した地球観測カメラの打上げ事例、i-SEEPに取り付けられた初の日本国外事例という、記念すべき案件となりました。
本案件の目的は、軌道上での技術実証を通じたiSIMの市場で求められる技術レベル「TRL-9」の達成でした。SATLANTISは、衛星単体や将来的には小型衛星のコンステレーションによる地球観測用の、超高解像度技術を開発し、サービスと製品を提供するグローバルプロバイダーとなることを目指しています。
船外プラットホーム取り付け前のiSIM ©JAXA/NASA
宇宙環境での実証を完了させ、ISS船内に取り込まれたiSIM ©JAXA/NASA
■ プロジェクト概要
2019年2月
スペイン・バスク地方ビルバオにあるSATLANTIS本社にて契約を締結。
左からSpace BD永崎将利(代表取締役社長)、SATLANTIS社Juan Tomás Hernani氏(CEO)
2019年8月
プロジェクトの履行に重要なマイルストーンであるインターフェース試験を通過。
©JAXA
2019年12月
iSIMをJAXAへの引き渡しを完了。
©JAXA
2020年5月
ISS補給船「こうのとり」9号機(HTV-9)に搭載され、種子島宇宙センターよりiSIMを打上げ。
HII-BロケットによるHTV-9の打上げ
(YouTube公式チャンネル「JAXA Channel」より引用 https://www.youtube.com/watch?v=-33Bl6fXSCE)
ISSにキャプチャ(把持)されたHTV-9
(YouTube公式チャンネル「JAXA Channel」より引用 https://www.youtube.com/watch?v=17k9M1Vio6g&t=1911s)
2020年6月
ISSに運ばれたiSIMを宇宙飛行士がi-SEEPに取り付け、船外に通じるエアロック(出入り口)からiSIMを宇宙空間に曝露。
取り付けに際し、地上では日本・欧州・米国の3地域合同での記念イベントを開催。スペイン国王フェリペ6世をはじめ、日本・欧州・米国の関係者より祝辞が述べられ、取り付け作業完了後には、日本の宇宙飛行士で東京理科大学 特任副学長 兼 JAXA特別参与 向井千秋元宇宙飛行士がモデレーターとなり、フェリペ6世とISS滞在中のクリス・キャシディ宇宙飛行士が交信。
2020年7月
運用開始から1か月間で、i-SEEPに取り付けられたiSIMから約2万枚の画像の受信に成功。
iSIMから撮影したHuelva(南スペイン)の様子。四角内は超解像処理前と後。©SATLANTIS
2020年12月
iSIMのプロジェクト完了。