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Space BD×Z会グループ×JAXA
JAXA研究開発プログラム“J-SPARC”の枠組みで教育事業創出に向けた活動開始
~「宇宙飛行士の訓練方法×次世代型教育事業」~
Space BD株式会社
株式会社増進会ホールディングス
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
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Space BD株式会社(代表取締役社長:永崎将利、以下「Space BD」という)、株式会社増進会ホールディングス(代表取締役社長:藤井孝昭、以下「Z会グループ」という)及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(理事長:山川 宏、以下「JAXA」という)は、共創型研究開発プログラム「宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)」の枠組みにおいて、教育分野での事業創出に向けた活動を開始いたします。
Space BDは、2019年3月を目途に、①JAXAが有する宇宙飛行士訓練方法、②山崎直子氏(宇宙飛行士)の経験・知識、③国際的な学力評価ツール・教材開発実績を有する北川達夫氏の知見等を総合的に分析・評価し、幼児の教育から企業の人材採用・研修に至る全世代を対象とした、次世代型教育、特に、いわゆる『非認知スキル』の測定及び育成の手法を体系的に開発いたします。
このうち、幼児から大学生までの対象年齢層における事業(含む、教材及びプログラム開発)は、通信教育や学習塾等、様々な教育サービスを提供しているZ会グループと、Space BDとの協働にて展開いたします。2019年4月からテストマーケティングを行いながら対象年齢層ごとの教材開発を行い、2020年4月より次世代型教育(非認知スキル)プログラムおよび教材の本格販売を目指します。
また、JAXAは、長年培われてきた宇宙飛行士訓練方法の提供等を通じ、宇宙分野にとどまらず、教育分野におけるJAXA研究開発成果の最大化を実現していきます。
いま人類は「急激で予測不能な変化をする社会」に生きており、その変化に対応するために、生涯にわたって学び続け(life-long learning)、必要とされる知識や技能を即座に習得し、即座に活用できるようにしなければならないとされています。そういった環境下で、これからの教育では、「急激で予測不能な変化に対応する力/新たな価値を創造する力」(日本/OECD)、「未知の課題に取り組む意欲と能力」(フィンランド/EU)の育成と評価の手法が求められています。専門的に「非認知スキル」と分類されるこれら能力は、従来測定・育成の方法が確立されていないのが現状です。
未知なる課題に取り組む意欲と能力とは、人類にとって未知の象徴である宇宙に挑み価値創造を実現する宇宙飛行士がひとつのロールモデルになるのではないかとの仮説をもとに、宇宙飛行士に求められる力を分析・再定義し、非認知スキルの評価・育成方法を確立し、事業展開いたします。本事業により、「急激で予測不能な変化をする社会」で耐えうる、そして活躍する人材を多く輩出することを目指します。
<本プロジェクト関係者>
【Space BD株式会社】代表取締役社長 永崎 将利
Space BDは、前身のナガサキ・アンド・カンパニー株式会社において、教育・研修事業を生業とし、小中学生向け起業家教育事業(代表事例:AOKI起業家育成プロジェクト、平成27年度経済産業省起業家教育普及促進事業)、大学生・社会人(企業)向け研修事業等を行ってきました。代表者の永崎は教育学部卒、現在も横浜国立大学成長戦略研究センター連携研究員、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員を務めるなど、教育業界に精通しております。その上でSpace BDは、2018年5月にJAXAによる国際宇宙ステーション(以下「ISS」)「きぼう」日本実験棟利用の民間開放に向けた取り組みとしての第一号案件、ISSからの「超小型衛星放出事業」に関する公募案件において、放出サービス提供事業者に選定されていることなど、宇宙産業に対する強いコミットメントがあり、知見と人的ネットワークの両面で「宇宙×教育」を担う必然性があります。
【株式会社増進会ホールディングス】代表取締役社長 藤井 孝昭
Z会グループは、通信教育をはじめ、塾、出版、学校向けサービス、アセスメント(試験・評価)等の事業を通じ、幼児から社会人までの幅広い年齢層を対象に教育サービスを展開する、創立以来87年の歴史を持つ総合教育グループです。株式会社Z会をはじめとする通信教育事業では、ICTを活用した指導も積極的に取り入れており、常に新しい教育サービスを展開しています。株式会社栄光をはじめとする教室事業では、少人数指導、個別指導を取り入れ、一人ひとりの個性や目的、目標に応じたサービスを提供しており、科学実験やプログラミング、英会話などの様々な教室も展開しています。株式会社エデュケーショナルネットワークをはじめとする法人事業では、全国の学校・塾・予備校への教材・テストの販売等をおこなっていることに加え、近年では、公共団体の様々な取り組みやニーズに対応したサービスを提案し、受託実績が拡大しています。「最高の教育で、未来をひらく。」というグループ理念のもと、これからの未来を担う子どもたちに最高の教育サービスを提供してまいります。
【宇宙航空研究開発機構(JAXA)】新事業促進部 部長 岩本 裕之
JAXA新事業促進部は、2018年5月に、第4期中長期計画(2018~2024年度)の新しい施策として、事業化までをスコープとした民間事業社等とのパートナーシップ型の新しい研究開発プログラムとして、宇宙イノベーションパートナーシップ(J-SPARC)を発表し、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等と共に、宇宙分野に閉じることのない技術革新、イノベーション創出、新しい事業創出を進めています。
我々は、この施策を通して、身近な宇宙を実現するとともに、パートナーの方々と一緒になって、社会に貢献する宇宙事業、次世代を切り拓く宇宙事業を創出・推進していきます。
【宇宙飛行士】山崎 直子
1996年東京大学大学院航空宇宙工学専攻修士課程を修了後、NASDA(宇宙開発事業団、現・宇宙航空研究開発機構/JAXA)に入社。日本実験棟「きぼう」の開発業務に携わる。1999年2月、NASDAより ISS(国際宇宙ステーション)に搭乗する日本人宇宙飛行士の候補者に選ばれ、同4月より基礎訓練に参加。2001年9月に宇宙飛行士として正式に認定される。2010年4月、スペースシャトル ディスカバリー号による15日間のISS組立補給ミッションに参加。ロードマスター(物資移送責任者)を務めたほかISSやスペースシャトルのロボットアームの操作などを担当。2011年8月にJAXAを退職後は、内閣府の宇宙政策委員会委員や日本宇宙少年団(YAC)アドバイザー、大学客員教授などを務める。著書に『宇宙飛行士になる勉強法』(中央公論新社)、『何とかなるさ!』(サンマーク出版)、『瑠璃色の星』(世界文化社)、『夢をつなぐ』(角川書店)などがある。
【星槎大学客員教授】北川 達夫
早稲田大学法学部卒業後、外務省入省。1991〜98年、在フィンランド日本国大使館在勤・在エストニア日本国大使館兼勤を経て退官。現在は国際的な学力評価ツール開発者としてOECD・PISA読解力調査専門委員を務めたほか、教材作家として日本やフィンランドなどの教科書・教材・アセスメント制作に携わる。また、学校や企業を対象に、グローバル・スタンダードの思考力・対話力・倫理的意思決定力の研修を実施している。現職は星槎大学大学院教育学研究科客員教授、三省堂英語科・国語科教科書編集委員ほか。著書に『学びの資質・能力 ラーニング・トゥ・ラーン』(共著 東洋館出版社 2018年)、『フィンランドの教育~教育システム・教師・学校・授業・メディア教育から読み解く』(共著 フォーラムA企画 2016年)、『苦手なあの人と対話する技術』(東洋経済新報社 2014年)ほか。